特定技能外国人の受け入れを検討している企業にとって、「支援体制をどのように整えるか」は避けて通れません。法律上必ず配置しなければならないのが「支援責任者」と「支援担当者」になります。
支援責任者は、企業が作成する「支援計画」の全体を統括し、適正に支援が行われているかを管理する立場にあります。つまり、支援業務の“責任者”として行政庁と企業の窓口を担う役割です。
支援責任者に求められるのは、単なる名義上の役職ではありません。過去に出入国管理法や労働関係法令に違反した経歴がないこと、外国人を適切に管理できる環境が整っていることなど、法令遵守の観点が特に重視されます。社内の他部署と連携しながら支援体制を維持する能力が求められます。
企業によっては、管理部門の責任者がこの職務を兼ねるケースが多く、「最終的な意思決定ができる立場の人を据える」ことによって実務もスムーズに進みます。
支援担当者は、支援責任者が策定した支援計画に沿って、外国人に対する具体的な支援を実施する役割を担います。必要な住居の確保や行政手続の同行、日常生活の相談対応、転職防止のための職場フォローなど、多岐にわたる支援項目を一つひとつ丁寧に行う現場の担当者です。
支援担当者に法律上求められる要件としては、特定技能外国人の母国語と日本語で意思疎通できること、または会社として必要な通訳体制を整えること、過去に人権侵害や違法な雇用管理を行った経歴がないことといったことが必要になります。
特に、日常的に外国人からの相談対応を行う立場であるため、単に言葉が通じるだけでなく、文化的背景への理解やコミュニケーション力が求められます。
また、支援担当者は複数名の外国人を担当することも多く、勤務時間・相談記録・行政手続の履歴などを適切に残しておくことが、後々の監査や在留期間更新の際にはとても重要になります。
自社支援を円滑に進めるためには、両者の役割を明確に分担しつつ、互いに連携できる体制づくりが必要です。
支援責任者は、制度理解や法令遵守の観点から支援全体を俯瞰して、支援計画を整備します。一方、支援担当者はその計画を現場レベルで実行し、外国人の生活や就労状況を日々把握します。
実務では、外国人との距離が近い支援担当者の報告を、支援責任者がどれだけ正確に受け取り、判断につなげられるかが大きなポイントになります。
支援責任者・支援担当者を任命しただけでは、自社支援は機能しません。
入管が求める支援記録は相当な分量があり、定期の報告やトラブル対応など、運用を続ける中で改善すべき点も必ず生じます。そのため、以下のような視点を持つことが、企業としての大きな強みになります。
特定技能の支援は「単なる義務」ではなく、外国人が安心して働き、長く定着するための基盤づくりです。支援体制がしっかりしている企業ほど、人材の定着率も高まり、結果的に採用コストの削減や組織の安定につながっていきます。