特定技能外国人はどこで探せるのか？

特定技能制度が始まって、外国人材を採用したいと思っている企業の中には、「特定技能の人材はどこから紹介してもらえるのか」という疑問をお持ちのところもあると思います。ネットで調べてみると「送り出し機関」や「登録支援機関」など、聞きなれない言葉が並んでおり、どこに頼めば良いのか分かりづらいと思います。

 

特定技能の紹介ルートはいくつかありますが、どれを選ぶかによって採用の安定性やコスト、マッチングの質が大きく異なってきます。今回のブログでは、企業がよく利用する紹介元の特徴をわかりやすく説明します。

 

１．登録支援機関からの紹介

「登録支援機関」とは、特定技能外国人が日本で働くときに必要な生活・職場定着の支援業務を企業から委託を受けて行う専門機関で、入国前後の手続き、生活オリエンテーション、相談対応などを企業に代わって実施します。
支援業務を行う機関の中には、人材紹介も併せて行っているところがあり、実務に慣れている分、企業側としても話が早く進むというメリットもあります。
特定技能の制度に詳しく、書類の準備や入国後の支援まで一括で任せられる点は大きな魅力ですが、機関ごとの質の差が大きく、手数料が相場より高いケースもあります。担当者の経験やサポート体制をしっかり確認する必要があります。

 

２．海外の送り出し機関からの紹介

海外の送り出し機関とは、特定技能などで日本で働くことを希望するその国の人材を募集し、日本語や職業分野ごとの教育等を行い、日本企業へ推薦する政府認定の機関です。現地での選考や日本語教育、渡航準備のサポートを行います。
ベトナム、ミャンマー、フィリピンなど、特定技能の送り出し機関が政府登録されている国では、現地で候補者を集め、企業へ推薦する仕組みが整っています。
海外の送り出し機関の強みは、候補者の数が多く、事前に現地で面接会を行うことも可能です。ただし、国によって制度が複雑だったり、費用が高かったりすることもあります。また、日本側でフォロー体制が整っていない送り出し機関も存在します。海外の送り出し機関を使う場合は、信頼できる機関かどうかの見極めが必要になります。

 

３．国内の日本語学校・専門学校から紹介

日本国内にいる日本語学校や専門学校の留学生が、卒業後に特定技能へ移行するケースは非常に多くなっています。但し、その留学生は一定能力以上の日本語力（例えば日本語能力検定N4以上）や専門分野の特定技能試験に合格している必要があります。
メリットとしては、既に日本での生活に慣れているため、入社後のミスマッチが少なく、コミュニケーションも取りやすいことです。学校側が学生の性格や日本語能力を把握している点も安心感につながります。ただし、分野によっては希望者が少ない学校もあるため、複数校と同時に接点を持つことが必要だと思われます。

 

４．ハローワークに求人を出す

意外と知られていないのですが、特定技能外国人もハローワーク経由で募集をすることができます。求人掲載が無料で、法令遵守が前提となっているため、安心して利用できるという点がメリットです。
但し、分野によっては応募者が集まりにくい場合もあります。

 

５．自社スタッフの紹介

現場で働く外国人スタッフ（留学生アルバイトなど）が特定技能の試験に合格した後、正社員として採用したり、その知人を紹介するケースです。この採用ルートは非常に効果が高く、離職率も低い傾向があります。企業文化を理解している人を採用したり、その外国人が紹介する人を雇用するため、職場との相性が良く、ミスマッチが起きにくいのが特徴です。
ただし多くの人数の採用を考えている場合には、他の方法と併用することが良いでしょう。

 

 

最後に

特定技能の紹介ルートは一つではなく、上記のような様々なルートがあります。
どれが最善かは、「採用したい人数」、「希望する分野」、「採用スピード」、「予算」、「自社支援の可否」などといった条件によって変わってきます。
実際には、制度の変更や途中辞退などのリスクに備えて、複数のルートを同時に使う企業が多いというのが実情です。

 

 

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