近年、人手不足が深刻化した飲食業や宿泊業、介護、建設などでは、外国人材の受入れが欠かせないものとなってきています。その中でも「特定技能」は比較的新しい制度で、正しく理解して活用できれば企業にとって大きな戦力になります。ただ、特定技能外国人を受入れようとすると、「何から始めるべきか」、「どんな書類が必要なのか」、「どのように募集をすればいいのか」といった疑問が次々に湧くと思います。そこでこのブログでは、特定技能で外国人を雇用する際の基本的な流れを、初心者でも理解しやすいようにご説明します。
特定技能制度(1号)は、16分野(2025年11月24日現在)に限定して外国人の就労を認める仕組みです。飲食店であれば「外食業」、食品工場は「飲食料品製造業」というように、同じ“飲食”に関わる仕事でも分野がまったく異なります。たとえば飲食店で厨房中心の仕事をしていても、店舗で調理する以上はすべて「外食業分野」に当たります。つまり、店舗調理を工場業務と同じ「飲食料品製造業」で申請することは制度上できません。
出入国在留管理庁は“事業区分”で判断しますので、店舗=外食業、工場=飲食料品製造業と区別されます。この最初の分野判断を誤ると、その後の申請がすべてやり直しになることがありますから、必ず「分野の確認」をしておきましょう。
分野が決まったら、次は外国人材をどう確保するかです。国内外の登録支援機関、海外の送り出し機関、人材紹介会社などを通じて採用するケースが一般的です。
面談の際には、技能試験に合格しているか、また日本語能力(N4程度)があるかを必ず確認しておいてください。試験が合格していない場合には、在留資格は認定されません。また、特定技能1号外国人は、家族の帯同が認められませんので、家庭環境やこれまでの職歴、日本で働きたい理由なども丁寧に聞いておいてください。
外国人と締結する雇用契約は、基本的には日本人と同じ基準で作成します。ただし特定技能には独特のルールもあり、「報酬が日本人と同等以上であること」「転職の自由が保障されていること」「支援内容を明示すること」などが求められます。実務をしていると、残業代の計算方法や深夜手当の扱いなど、細かい部分で調整が必要になることがあります。この雇用契約書と雇用条件書は出入国在留管理局のフォーマットに準拠して作成し、採用予定の外国人が理解できる言語で併記し、且つ理解できる言語で説明する必要があります。
特定技能は、単なる“外国人アルバイト”ではなく、企業と外国人が対等な労働契約を結ぶ仕組みです。したがって、雇用契約に。曖昧な部分があると受理されないこともあるため、慎重に作成する必要があります。また、この時に、どのようにその外国人を支援していくのかという「支援計画書」も作成し、説明しておく必要があります。
特定技能では、外国人が日本で安心して生活できるよう「生活支援」が義務化されています。住居探しのサポート、銀行口座開設、生活オリエンテーション、日本語学習の機会提供など、多岐にわたります。
支援方法には、「自社で支援する(自社支援)」と「登録支援機関に委託する」の2つのケースがあります。最近はコスト削減や管理強化のため、自社支援に切り替える企業も増えてきていますが、支援責任者・支援担当者には一定の要件があります。特に、支援担当者は外国人と日常的に連絡を取り合うため、人材が確保できない企業では登録支援機関に委託する方が現実的なことも多いです。
雇用契約と支援体制が整ったら、入管への申請です。日本国内にいる外国人の場合は「在留資格変更許可申請(変更申請)」、海外在住の外国人の場合は、「在留資格認定証明書交付申請(COE申請)」になります。
どちらも提出する書類はかなり多岐にわたり、会社側の書類(決算書、税証明、役員名簿など)から外国人本人の書類、雇用契約書、支援計画書まで幅広く必要です。審査期間は2〜3ヶ月程度が一般的ですが、書類の整合性に不備があるとさらに時間がかかることもあります。
無事に許可が下りると、外国人は在留カードを取得し、就労可能となります。海外から来る場合はビザ(査証)発給後に来日し、住民登録や保険加入、銀行口座の開設などを済ませてから勤務スタートとなります。ここからは企業の労務管理が非常に重要で、支援内容が適切に行われているかもチェックされます。
外国人にとって最初の数週間は、新しい生活に慣れるための大事な期間です。生活面での不安があると離職につながることもあるため、企業側の丁寧なフォローが大切になります。
特定技能の雇用は、手続きの多さだけを見るとかなり難しく感じるかと思います。書類の作成も複雑ですので、社内に専任の担当者を配置できないような場合には、早めに行政書士などの専門家に相談しておく方がスムーズに受け入れできるようになります。
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