特定技能外国人を初めて受け入れる企業が最初に悩まれるのは、「住まいをどう準備すればよいのか」という点です。雇用契約や在留資格の手続きに目が向きがちですが、実は住居の準備はトラブルを防ぐうえで非常に重要なポイントになります。
結論から言えば、会社が物件を借り上げ、社宅として提供する形が、もっとも一般的で実務上も安定した方法です。
特定技能制度では、外国人が生活する住居について一定の基準が設けられています。もっとも重要なのが「居住スペースの広さ」です。
原則として、一人あたり7.5㎡以上の居室面積を確保する必要があります。ここでいう居室とは、寝室などの生活の中心となる空間を指し、キッチンやトイレ、浴室といった共用部分は含まれません。7.5㎡というと概ね4畳半くらいの広さになります。
複数人で住む場合でも、単純に全体面積で判断するのではなく、人数で割ったときに一人あたり7.5㎡以上が確保されているかがチェックされます。
なお、技能実習から特定技能へ移行するケースなどで、本人が引き続き同じ住居を希望する場合には、例外的に4.5㎡以上でも認められることがあります。ただし、この点は個別判断になるため、事前の確認が重要になります。
外国人が日本で個人名義の賃貸契約を結ぶことは、現実的にはなかなか簡単ではありません。
保証人の問題や入居審査のハードルが高く、来日直後に自力で物件を探すのは非常に困難になります。そのため、多くの企業では、会社名義で賃貸契約を結び、社宅として提供する方法を採用しています。この方法であれば、住居が確保できないことで就労開始が遅れるといったリスクも回避できます。
実務上は、敷金や礼金、仲介手数料などの初期費用は会社が負担するケースが一般的です。これらを後から外国人本人に請求することは認められていません。
一方、毎月の家賃については、実際に家主さんへ支払っている金額と同額を、給与から天引きすることは可能です。ただし、ここで注意が必要なのが「特定技能外国人から利益を得てはいけない」というルールです。
会社が家賃に上乗せして徴収したり、実費以上の金額を請求することは禁止されています。また、一般的に、近隣の相場から高額な物件も避けましょう。会社の中には、反対に家賃の半額を福利厚生費として補助しているところもありますが、これに関しては任意になります。
つまり、一般的な相場の住まいであれば、外国人に家賃を負担していただいても問題はないということです。
特定技能外国人は、入国後すぐに日本での生活と仕事をスタートさせます。
そのため、最低限の生活備品が整っていないと、不安や不満につながりやすくなります。
冷蔵庫や洗濯機、電子レンジといった基本的な家電は、あらかじめ設置されていることが望ましいでしょう。特定技能外国人は自炊をする方も多いため、炊飯器や調理設備があるかどうかも重要なポイントです。十分に使用できるものであれば、中古品でも問題はありません。
また、見落とされがちですが、布団は新品を用意することが強く推奨されます。中古の寝具は衛生面だけでなく、心理的な不信感を与えてしまうこともあり、結果として早期離職の原因になることもあります。
これらの備品費用は、福利厚生の一環として会社が負担するケースが多く見られます。仮に本人負担とする場合でも、雇用契約書や支援計画書で事前に明確な合意を取っておくことが不可欠です。
これから初めて特定技能外国人を雇用する場合、実務的には次のような形がもっとも安定します。
このような形を取ることで、在留資格手続き上のリスクだけでなく、就労後のトラブルや早期退職の防止にもつながります。
特定技能外国人にとって、住まいは日本での生活の土台となるものです。住居環境が整っているかどうかは、仕事への定着や信頼関係にも大きく影響します。
制度のルールを守ることはもちろん、実務的な配慮を重ねることが、結果的に企業側の安定した人材確保につながります。
初めての受け入れで不安がある場合は、早めに専門家へ相談しながら進めることをおすすめします。
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