人材不足が深刻化する介護業界において、外国人材の雇用は特別な選択肢ではなく、すでに現場を支える重要な存在になりつつあります。ただ一方で、制度が複雑そうであり、何から調べればいいのかわからないと感じ、最初の一歩を踏み出せない事業者様も少なくありません。
本記事では、2026年時点の制度状況を前提に、介護分野で外国人雇用を初めて検討される運営者様に向けて、全体像をできるだけ専門用語を使わずに整理します。
「外国人を雇う」と一口に言っても、介護分野ではいくつかの在留資格(制度)が存在します。代表的なものとしては、「特定技能」、「技能実習(今後は育成就労制度へ移行予定)」、「EPA」、「在留資格『介護』」が挙げられます。
介護の試験と日本語試験に合格した人が対象です。入社したその日から介護職員として配置基準に入れることができ、最大5年間働いてもらえます。
本来は人材育成・国際貢献が目的の制度です。
最初の一定期間は「人手」として数えられないなど、運営面では制約があります。
現在は、将来的に「育成就労制度」へ一本化される方向で制度が変わろうとしています。
フィリピン・インドネシア・ベトナムなど、国と国の取り決めで来日します。働きながら介護福祉士試験に合格することが前提です。ただ、人数は多くなく、制度としては限定的です。
日本の養成校を卒業し、介護福祉士の国家資格を持っています。在留期間の更新に上限がなく、長期雇用が可能です。ただし、現時点でにおいては、採用できる人の数は多くありません。
ひとことでまとめると
この中で、現在もっとも多くの事業所に選ばれているのが特定技能です。理由は単純で、現場運営との相性が非常に良いためです。
特定技能の最大の特徴は、入社初日から日本人介護職員と同様に人員配置基準へ算定できる点にあります。介護分野では、配置基準を満たすかどうかが運営に直結するため、この点は大きなメリットになります。
また、特定技能として就労するには、介護技能試験と日本語試験の両方に合格している必要があります。日常会話だけでなく、介護現場で必要となる基本的な専門用語も理解しているため、現場での指示が比較的通りやすく、教育負担を抑えやすい傾向があります。
さらに、特定技能1号では最長5年間の就労が可能です。その期間中に介護福祉士の国家資格を取得すれば、在留資格「介護」へ移行し、将来的に長期雇用につなげることもできます。
特定技能外国人を受け入れる場合、事業者には法律上定められた支援義務があります。住居の確保や行政手続きの補助、日本語学習の機会提供など、いわゆる「支援計画」に基づく対応が必要です。
もっとも、これらをすべて自社だけで行わなければならないわけではありません。多くの介護事業所では、登録支援機関と契約し、実務部分を委託しています。ただし、あくまで最終的な責任は受入れ事業者にあるため、「任せきりにすれば何も考えなくてよい」という理解は避ける必要があります。
実務的には、海外在住者や国内在留者との面接を行い、雇用条件を確認したうえで雇用契約を締結します。その後、出入国在留管理局へ在留資格の申請を行い、許可が下り次第、就労開始となります。
特定技能の場合、就労開始日から実務に就くことができ、シフトにも組み込める点は、現場運営上の安心材料といえます。
介護分野における外国人雇用は、「制度を正しく理解すること」で、決して難しいものではなくなります。特に特定技能制度は、初めて外国人を受け入れる事業者様にとって、現実的かつ運営面でのメリットが大きい制度です。
一方で、在留資格の選択や支援体制の設計を誤ると、後々のトラブルにつながる可能性もあります。実際の導入にあたっては、早い段階で行政書士などの専門家に相談し、自社に合った形を整理することが、結果的にもっとも近道になるでしょう。
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