特定技能外国人の受け入れが広がる中で、登録支援機関への委託から「自社支援」へ切り替えることを検討する企業が増えています。背景にあるのは、支援委託費の長期的な負担感や、「自社で対応できる部分は内製化したい」という経営判断です。
その際、多くの企業が検討するのが、自社支援システム(いわゆるDXツール)の導入です。しかし、システムを導入すればすべてが解決するわけではありません。
自社支援システムの最大の強みは、事務作業の効率化にあります。定期的に提出が求められる支援実施状況報告書や面談記録を自動で作成できる点、在留期限や報告期限をアラートで管理できる点は、実務担当者にとって大きな助けとなります。
また、パスポートや在留カード、支援履歴を一元管理できるため、担当者が変わっても情報が引き継ぎやすく、属人化を防げる点も評価されています。
登録支援機関に支払っていた月額費用と比較すると、コスト面でのメリットを実感しやすいのも事実です。
一方で、システムはあくまで「作業を支援する道具」です。記載内容が制度上適切かどうか、最新の法改正に照らして問題がないかといった判断そのものは、企業側が行う必要があります。また、定期面談や生活上のトラブル対応、急な病気や近隣トラブルへの対応など、実際に人が動く支援業務はシステムでは代替できません。
この点を理解せずに自社支援へ切り替えてしまうと、かえってリスクが高まるケースもあります。
行政書士が提供するのは、システムとは異なり、制度判断と適法性の担保です。自社が本当に自社支援の要件を満たしているのか、どのような体制を整えれば問題がないのかといった点は、専門的な判断が不可欠です。
特に、過去に外国人雇用の実績が少ない企業や、勤務形態が複雑なケースでは、行政書士の関与があるかどうかで、リスクの大きさが大きく変わります。
また、在留資格の変更やトラブル対応など、判断を誤ると制度違反につながる場面では、システムだけでは対応できません。
実務上、多くの企業にとって最も現実的なのは、自社支援システムと行政書士サポートを併用する形です。切り替え初期や重要な届出は行政書士が関与し、日常的な事務作業や記録管理はシステムで効率化する。この役割分担により、コストとリスクのバランスを取ることができます。
自社支援は「登録支援機関を使わない」という選択ではありません。
自社にとって最適な支援体制を再設計することが、本来の目的だと言えます。
社内での支援への切替が可能かどうか、必要な手順や体制整備のポイントを丁寧にご説明いたします。貴社の現状をお聞かせいただければ、最適な進め方をご提案いたします。
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