外国人が日本で技能を学びながら働くことを目的とした「育成就労制度」では、受け入れ企業のことを「育成就労実施者」と呼びます。つまり、実際に外国人を雇用し、現場で一緒に働く会社や団体のことです。この制度では、外国人の方が安心して働き、適切な指導を受けられることが重要視されており、そのために企業側にも一定の体制づくりが求められています。
まず必要となるのが、育成就労に関する責任体制です。企業の中には、育成就労全体を統括する「育成就労責任者」を置くことになっています。この責任者は、常勤職員であり、過去3年以内に養成講習を修了していることが必要になります。そして、実際の現場で外国人に仕事を教える「育成就労指導員」も配置します。指導員は、従事している分野で5年以上の経験があり、同じく直近3年以内に養成講習を受講していることが条件です。さらに、仕事以外の生活面をサポートする「生活相談員」も必要で、こちらも養成講習の修了が求められています。
つまり、企業内部に「仕事を教える人」と「生活を支える人」、そしてそれらをまとめる「責任者」という三つの役割をきちんと整えることがポイントになります。外国人が慣れない環境で働くにあたり、仕事だけでなく生活面でも相談できる体制があるかどうかが重要視されている、という考え方です。
次に、事業運営に関する基準についてです。育成就労実施者となる企業は、外国人を適切に管理し、これまでに重大なトラブルを起こしていないことが求められます。例えば、過去1年以内に、管理体制の不備などが原因で外国人が行方不明になってしまった事例がある場合には、問題視される可能性が高いです。また、外国人労働者を不当に解雇したようなケースがある場合も、原則として要件を満たさないことになります。
もちろん、労働関係法令や社会保険に関する法律を守っていることも大前提です。さらに、社会通念上、不適切と思われる金銭や物品の授受を行っていないことや、地方公共団体などから協力を求められた際には、制度の円滑な運用のために協力する姿勢も求められます。
外国人の生活状況についても、企業として一定の把握を行うことが求められています。健康であるか、生活に困っていないか、日本での暮らしに問題がないかなどを確認し、必要があれば相談や支援につなげていく姿勢が大切です。また、労働条件などの重要な説明については、対面だけでなくオンラインで行うことも認められており、状況に応じた柔軟な対応が可能となっています。
このような要件を見ると、少し難しそうに感じるかもしれませんが、制度の根底にあるのは「外国人の方が安心して学びながら働ける環境を整えてほしい」という考え方です。適切な人材配置や法令遵守、そして人として尊重する姿勢があれば、特別なことではないと理解してください。
これから育成就労外国人の受け入れを検討されている企業様にとって、制度の仕組みや求められる体制を知っておくことはとても大切です。準備の段階からしっかり理解し、不安なく制度を活用できるようにしていくことが大切だと思います。
無料相談のご案内
これから外国人を採用したいとお考えの企業様、外国人の採用について詳しく聞いてみたいとお考えの企業様は、是非ご連絡ください。
⇒お問い合わせ